# VIVA JAPAN
project 590 「幸福の王子」
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「笑顔」
「幸福の王子」
*ある町の広場に、「幸福の王子」と人々が呼んでいる王子様の銅像が立っていました。銅像の身体は、金箔がいっぱい貼ってありました。両目の瞳は、サファイアです。腰の剣のつばは、真っ赤なルビーです。心臓は鉛で作られていました。
*この銅像の王子様は、毎日、毎晩、この町の人々の暮らしを見て過ごしました。ある日、賑やかな街の片隅に、とても貧乏で、苦しい生活をしている人々がいることに気がついたのです。
*王子様は、自分で歩くことが出来ません。どうしたら、あの人びとを幸福にさせることが出来るかを考えて、毎日過ごすようになりました。
*そんなある日、燕の群れが、町の上空を南へ向かって、飛んで行ったのです。
一羽の若い燕が、王子様の銅像に気がつきました。
「なんて、素敵な銅像なんだろう!!」と、群れから離れて、寄り道をしたのです。
*王子様の銅像の手にとまり、王子様を眺めました。
*王子様は、燕に、自分の体の金箔や、目のサファイアや剣のルビーをはがして、貧乏で、苦しんでいる人々に分け与えてほしいと頼みました。
*燕は、王子様の優しい心を知って王子様が、もっともっと好きになって、王子様の願いをかなえようと、励みました。燕は、とうとう、仲間たちのいる南の国へゆきそこなってしまったのです。
*雪の降る寒い、寒い冬の日の広場に、はげちょろけの王子様の銅像がありました。そして、王子様の足元に、雪にうずもれて眠っている若い燕の亡骸がありました。
*王子様の顔も、燕の顔も、満足げに見えたました。。・・・・・
「The Haappy Prince」作・オスカーワイルド
*オスカーワイルド(アイルランドの文人)が、子供のために描いた短編小説。
「世界全体が、幸福にならなければ、
個人の幸福は、あり得ない」・宮沢賢治
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